ソーシャルワーク支援の発展的二重螺旋構造
―役割喪失にともなう悲嘆作業過程の分析―

大賀 有記

本書は、急性期病院における脳血管疾患の患者家族に対して医療ソーシャルワーカーが行う支援に焦点を当て、役割変化にともなう困難の質と取り組み過程の構造を明らかにしている。

ISBN978-4-7501-0388-4 C3036
A5判 208頁 本体2,800円+税


序 章 「困った」患者家族とソーシャルワーカー
 第1節 患者家族の体験する悲嘆作業−医療ソーシャルワークの現場から−
 第2節 本書の射程
  1. 急性期病院
  2. 医療ソーシャルワーカー
  3. 脳血管疾患の患者家族

第1章 困難への取り組みを考える理論的視座
 第1節 困難の影響要因
 第2節 理論的視座
  1. 役割に関する理論
  2. 喪失に関する概念
  3. 悲嘆作業過程に関する理論
  4. 組織システムに関する理論

第2章 調査設計
 第1節 調査目的
 第2節 研究方法
  1. GTAの特徴
  2. M−GTAの特徴
  3. M−GTA採択理由
 第3節 調査のプロセス
  1. 調査概要
  2. データ分析

第3章 役割喪失にともなう悲嘆作業過程
 第1節 悲嘆作業過程の全体像
  1. 結果図
  2. ストーリーライン
 第2節 支援に向かう不安
  1. 引き受ける構え
  2. 期待に応えられない辛さ
  3. パートナーシップ不成立への危惧
  4. 支援に向かう不安と役割喪失の予期との関係
 第3節 働きと支えをうしなう
  1. 孤立無援に陥る
  2. 患者家族との関係性に空虚感
  3. 働きと支えをうしなう感覚と役割喪失への直面との関係
 第4節 膠着状態のひもとき
  1. 指針を見つける
  2. そっとふみだす
  3. 膠着状態のひもときと役割喪失からの脱却との関係
 第5節 行き詰まり
  1. 行き詰まり
  2. 役割喪失への直面と脱却の繰り返しの関係
 第6節 活かすことに向き合う
  1. 病院組織に根をおろす
  2. 生と死を渡る
  3. 専門職性を活かすことに向き合うことと役割喪失への適応との関係
 第7節 発展的に継続
  1. 発展的に継続
  2. 業務遂行過程と役割喪失にともなう悲嘆作業過程との相補的関係

第4章 業務遂行過程と役割喪失過程との悲嘆作業構造
 第1節 パートナーシップの不成立を危惧する
 第2節 組織内で孤立無援に陥る
 第3節 患者家族との関係性に空虚感をもつ
 第4節 支援にそっと踏み出す
 第5節 生と死を熟考する
 第6節 まとめ

終 章 いかなる変化が起きても支援を継続するために
 第1節 要約
 第2節 本書の意義と貢献
  1. 喪失と悲嘆作業に関する研究における本書の意義と貢献
  2. ソーシャルワーク研究における本書の意義と貢献
  3. ソーシャルワーク実践における本書の意義と貢献
 第3節 本書の限界
  1. 研究対象としての限界
  2. 研究方法についての限界
  3. 研究結果としての限界
 第4節 今後の課題