児童養護施設の事例分析法
―グラウンデッド・セオリーによる「経験」と「勘」の世界の解明から―

稲垣 美加子

グラウンデッド・セオリーを分析方法として,従来の児童養護施設での実践を紐解き,現場のワーカーたちが実践感覚に基づいて児童養護実践として認識している支援の実情にアプローチしている。

ISBN978-4-7501-0387-7 C3036
A5判 130頁 本体1,700円+税


第1章 なぜ児童養護施設の実践にアプローチするのか:本書の主題と研究方法
 §1 児童養護施設とソーシャルワーク
 §2 児童養護施設実践研究における従来のアプローチの課題
 §3 児童養護施設で多用される「経験」と「勘」による実践の意味するところ

第2章 児童養護施設でのノレッジ・マネジメントの必要性
 §1 児童養護施設での事例研究を阻害する「経験」と「勘」の文化
 §2 児童養護施設でのノレッジ・マネジメントの手法の可能性
 §3 児童養護施設の特性を踏まえた事例研究による「経験」と「勘」の世界の例示の試み

第3章 「事例研究」から顕在化する「経験」と「勘」の課題(1)
 §1 事例検討の「展開過程I」
 §2 事例検討の「展開過程II」
 §3 事例検討の考察

第4章 家族支援事例に顕在化する「経験」と「勘」による介入の課題
 §1 事例検討の「展開過程I」
 §2 事例検討の「展開過程II」
 §3 事例検討の考察

第5章 児童養護施設での「経験」と「勘」の世界へのアプローチの手法
    −質的解析の方法としてのグラウンデッド・セオリーの有効性について−
 §1 グラウンデッド・セオリーの特性
 §2 わが国で活用されているグラウンデッド・セオリーの系譜
 §3 研究手法としてのグラウンデッド・セオリーの妥当性

第6章 児童養護施設でのソーシャルワーク実践の成立が困難な現状へのアプローチ
 §1 「経験」と「勘」の世界への従来のアプローチ
 §2 グラウンデッド・セオリーを活用した分析の概要
 §3 分析結果
 §4 考 察
 §5 結 論

第7章 事例研究から実践研究への視点
 §1 事例研究をソーシャルワーク実践研究へと展開する可能性
 §2 児童養護施設における事例研究を用いた研究の効果について
 §3 事例研究の活用方法

第8章 事例研究の進め方
 §1 事例研究への導入の過程に関する留意点
 §2 「波長合わせ」の効果
 §3 自己覚知(自己開示・自己受容)を促す職場の研修環境
 §4 討議過程の活性化への留意点

終 章 「経験」と「勘」の世界からソーシャルワーク実践へ
 §1 実践の開示としての事例研究と実践知の関係性
 §2 「経験」と「勘」の具体化に向けて実践知の言語化:形式知化への今後の課題